福山市のホテル火災、長崎市のグループホーム火災、福岡市の診療所火災など、多数の死者が出る火災事故が続いています。
これらの事故において被害が拡大した原因の一つとして、建築物が適法な状態で管理されていなかったことが掲げられています。
こうした事態を踏まえ、建築基準法を改正し2016年6月1日より新たな制度が施行されました。
建築物の使用が開始された後も、引き続き、適法な状態を確保し続けることが重要という考え方から、定期的な調査や報告が義務となりました。これがいわゆる「定期報告制度」です。
建築物の維持管理:建築基準法
第1条(目的)
国民の生命・健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資する為に、建築物の敷地・構造・設備などについての最低基準を定める
第8条(維持保全)
建築物の所有者・管理者・占有者は、建築物の敷地・構造及び建築設備を、常時適法な状態に維持するように努めなければならない
第12条(報告、検査等)
建築物の所有者・管理者は、敷地・構造および建築設備について、定期に、資格を有するものに調査をさせてその結果を特定行政庁へ報告しなければならない
第101条第1項第二号
定期報告をしないと罰則がある
建物の維持保全を適正に実施することは、思わぬ事故を防いだり、地震や火災等の災害時の被害を軽減したり、建築物の寿命を長持ちさせることにつながります。省エネルギー、地球資源の問題からも今後大変重要な事項です。
建築物の安全・環境のため、定期調査報告を行いましょう。