定期報告制度の未報告物件の現状
本日、近畿大学東大阪キャンパス校舎の天井ボード落下事故のニュースが報道されました。これにより学生1名が怪我をしました。天井ボードの経年劣化が原因とされています。
このような事故が起こると、必ず定期点検の過去の調査結果が調べられます。今回の事故では令和4年に特定建築物調査を実施しており、その際に異常はなかったとのことです。
しかし、その定期報告制度の報告率は平成26年度末時点で特定建築物調査で72.6%、建築設備調査では72.5%(国土交通省住宅局建築指導課 調べ)と、まだまだ不十分な数字であることが実態です。報告率が不十分である理由として、調査仕事に対する費用の負担を回避したい、終夜営業のため定期点検の実施が困難である、などが挙げられます。
今後、事務所ビル等の定期報告対象拡大に伴い(各行政により対応は異なります)、報告率が横ばいに推移あるいは低下することも予想されます。定期報告制度は法律で定められたものであるため、新たに対象となる物件のオーナー様を含め、改めて周知が必要であると思われます。